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計算機的酵素探索技術開発事業

生物の生産する「酵素」とは特定の化学反応を触媒するタンパク質のことです。世の中にはさまざまな機能をもつ酵素が存在します。バイオ生産ではこれらの酵素をうまく組み合わせることで、出発化合物から目的化合物までの反応経路を実現しています。しかし、酵素反応には未解明の反応が多く、未知の合成経路が存在すると考えられます。

酵素には「基質特異性」と呼ばれる、特定の化学反応しか触媒しないという性質があります。一方で、基質特異性の低い酵素も存在します。digzymeでは基質特異性の低い酵素を発見したり、人工的にデザインすることで、類似反応に対しても触媒機能を発揮させることを目的とした技術開発を行っています。

生命科学のデータは日々世界中の研究から蓄積されています。特にゲノムデータの蓄積量は著しく、解析の及んでいない膨大な量の遺伝子が存在します。その中でも酵素遺伝子は1200万種類以上あると推定されています。既知の酵素触媒機構は1000程度、反応化合物は10,000程度であり、すべての酵素遺伝子のうち正しく機能分類されているものはほんの10%程度にしか過ぎません。未知の酵素の中から目的に適うものを地道に実験的に確認していくのは非常に高コストであり、ビッグデータを活用した計算機による探索が必要とされています。

digzymeでは、化学反応を扱うCheminformaticsと遺伝情報を扱うGenomicsを機械学習をベースとしたAIを用いて組み合わせることにより、新奇の合成経路を創出する技術開発事業を行います。

有用化合物生産系開発事業

植物二次代謝産物などの有用化合物は希少価値が高く、天然資源から直接抽出できる量は限られています。また、いくつかの物質に対しては化学的合成が試みられていますが、金属触媒等を用いた複雑な工程が必要で、環境的な負荷が大きなものも存在します。生物が産生する酵素を触媒として用いた合成手法が普及することで、より安全で安価な有用化合物の生産が可能になると考えられています。digzymeは新規酵素探索を起点として、安全で持続的なバイオ生産系の実現を目指します。

digzymeはバイオインフォマティクスを駆使することにより有用化合物バイオ生産系の革新的な開発を実現します。

有用化合物のバイオ生産には、まず酵素反応経路の提案及び酵素遺伝子探索が必要です。これまで、目的反応を触媒する酵素遺伝子を見つけるには、専門知識を持った研究者が先行研究論文などから候補を発案し、対象の反応についてランダムなDNA断片からの網羅的なスクリーニングを行う、といった方法が取られてきました。しかし、これらの実現には膨大な物的・人的リソースが必要で、迅速な産業化に対するボトルネックとなっていました。

世界中の生命科学の基礎研究データ、特にゲノム情報はオープンにされています。しかしながら、これらを産業に活かす取り組みは決して多くはありません。私たちは、バイオインフォマティクスを駆使することで、生命科学の基礎研究データを包括的に利用し、目的の化合物のバイオ生産を実現するための酵素的な反応経路と該当する酵素の候補を同時に提案する技術を酵素反応類似性探索技術を開発しました。これにより、規格化された最小限の実験のみで、有用化合物を合成することのできる酵素を見つけることを可能にしました。

環境中酵素存在量推定事業

digzymeの酵素探索技術に、環境中からDNAデータを網羅的に取得するメタゲノム解析技術と組み合わせることにより、より広範囲の対象について環境中の分解経路探索及び分解酵素量推定が可能になりました。

digzymeではこのバイオインフォマティクスによる新しい新規酵素探索技術を共同研究サービスとして展開します。お客様の研究段階に応じてこれらの技術を組み合わせたソリューションを提案・実施し、有用化合物バイオ生産系の裾野を広げて、より安全で持続的な社会を目指します。